痛みの少ない虫歯治療

虫歯治療の際は、必ず麻酔が必要だと思っていらっしゃる方も多いでしょう。しかし実は、虫歯の進行度合いによって麻酔が要らない場合もございます。

例えば、虫歯になっているのが歯の表面を覆う硬い「エナメル質」の部分だけであれば、麻酔を行う必要はありません。こうしたケースでは、そのまま削ってもほとんど痛みが出ないからです。

麻酔の注射は少なからず刺激を伴います。「できることなら麻酔の痛みも避けたい」と思われる方は少なくないでしょう。そのため当院では、虫歯の状態をより適切に見極め、治療に痛みを伴わないと判断できる場合は麻酔を行わないこともあります。

このように当院では、痛みやお身体への刺激をできる限り抑える工夫をしていますので、安心してご来院いただければと思います。

虫歯が進行していると、治療の過程でしみる感覚や痛みを覚えることが少なくありません。そうしたケースでは、事前に歯ぐきに表面麻酔を施す場合があります。

治療中の痛みを軽減するには、注射麻酔だけで十分なのも事実です。しかし、歯ぐきに注射麻酔の針が刺さる「チクッ」とした感覚が苦手な方もいらっしゃるのではないでしょうか。

そこで当院では、注射の前に、歯ぐきにジェル状の「表面麻酔」を塗布。そして麻酔をしっかりと効かせるために、1～2分の時間を置いて注射を行います。

表面麻酔は、1分間で歯肉の表面から2～3mmの深さまで浸透すると言われています。そのため麻酔の針を刺すときは、表面麻酔が効いている2～3mmまでの深さを意識するのが重要です。このひと工夫で、表面麻酔の効果を最大限に利用し、針が刺さる痛みをより緩和できます。

お子さまの場合、表面麻酔のジェルを「苦い」と感じることもあるようです。そこで子供向けに、苦みのないタイプの表面麻酔もご用意しています。

こうして当院では表面麻酔を活用し、お子さまから大人の方まで、ストレスなく治療を受けていただけるよう配慮しています。

「表面麻酔だけで本当に痛みを緩和できるの？」と疑問に思われる方もいらっしゃるでしょう。

当院では表面麻酔だけでなく、注射麻酔にも工夫を凝らしています。例えば、麻酔液を注入する際はゆっくりと一定の速度を保つことで、痛みや薬液が入る際の圧（刺激）を軽減します。

さらに当院がこだわっているのは、注射の針を刺す位置です。どこに刺しても痛みを感じるのは一緒と思われがちですが、実は感覚の鈍い箇所があるのです。その場所を選んで麻酔を行い、針が刺さる感覚をなるべく感じさせないよう配慮しています。

さらに歯科恐怖症の方や歯科治療に抵抗感の強い方、また患者さまご本人の要望があった場合には、電子制御により一定の速度で薬液を注入できる「電動麻酔注射器」を使用することもございます。

こうして痛みや刺激に配慮した麻酔の工夫を行っていますので、安心して治療に臨んでいただけるのではないでしょうか。